ひさびさに

いい本に出合えたと思います。

沢木耕太郎の「檀」という本を後輩に借りて読みました。
作家檀一雄の妻が、30年にわたる夫婦の関係を語る、という内容でした。

読後、夫婦という関係のあまりの生々しい描写(セクシャルな意味でなく、既婚者ならきっとわかる日々の生活におけるささいな事々)に、なんとなく後味のわるぅい気持ちになってしまいました。この後味の悪さはなんだろう・・・と考えたのですが、たとえ実際に奥さんが語ったことをベースにしていたとしても、やはり「筆者」は男性であり、沢木さんがとらえた奥さんの言葉を文章にしているからかな、という結論に落ち着きました。
女性が書くと、また違ったものになったはずです。

男性(夫)側にしてみたら、きっとこのような妻は望ましいものだと思います。
女性(妻)側にしてみたら、きっとここまで惚れさせてくれる夫は望ましいものだと思います。
平和そうに見えても、大波小波がありつつ、それでも続いていく生活というもの。それを活字にしなくてもなぁ、と思ったり思わなかったり(笑)。
夫婦の関係について悩むところのある人にはオススメの一冊です。
結婚に夢を抱いている人には、あまり読ませたくない一冊です。だって変な期待をもちそうだから〜。

後輩に「泣きませんでしたか?」とたずねられ、微妙な面持ちで「全然」と答えてしまいました。
全然なけないよ!!といったら、「私、ぼろ泣きやったんすけど・・・」と返され、ハイ、スイマセンと恐縮してしまいました。


勢いにまかせて深夜特急も再読しはじめました。
沢木さんの文章は、きっぱりしていて好きです。