誰かのこと

その人ではなく、その人を語る他の人を見るのが好き、という瞬間がある。
最近、ひさびさにそういう機会があった。

JALの機内誌に近藤紘一さんの話が連載されている。
この話がとてもいいものが多く、興味をもったので彼の著作をいくつか読んでみた。
私が女というのもあるためか、アジアをよく知っているということもあってか、予想以上の感動は(残念ながら)なかった。
「夏の海」という亡くなられた奥さんについての話は、胸が痛くなるくらい、とてもいいものだったけど。

目撃者という本の中で、近藤さんについて沢木耕太郎さんが「彼の視線」という小文を寄せている。
これがたまらなくよかった。
巻頭にある、司馬遼太郎氏による弔辞も。
きっと近藤さんという人は、とてつもない魅力をもった人だったのだろうなと思わせる何かが、そこからは感じられた。


それとは関係ないけれど、人の長所を相手に言うのってそんなにダメなことかなぁ。
短所をいうことは簡単だけど、私はどちらかというと長所だなと思ったらぱっと口に出してしまう。
なるべく悪いことは口から出さないようにしてるし、わざわざ言うことの方がストレスなので、人それぞれだと思うんですが。
おもしろいね。
いろんな人がいて、いろんなことを言われて、「他人から見た自分」の「自己認識」ってできあがっていくんだなぁと実感。